綾部市物部地区在住


by ayabemorinaga

不良老年の生き方

私はこのブログで美しく老いる事は難しい、さらに、老計があるとかきましたが、野ざらし紀行の冒頭に、こんな文句がかかれています。僧に似て塵あり、俗に似て髪なし。旅をしている時、芭蕉はお坊さんの格好をしています。おくの細道では宿の主人からお坊さんですね、大変なご修行をなさっていますね、と、言われている。だから自分では、お坊さんの格好をして歩いていると芭蕉は自覚しています。しかし、塵ありなのです。塵とはちりあくたのちり、で煩悩と言う意味です。芭蕉はお坊さんの格好はしているけれども、心の中は煩悩だらけだと言っているわけです。それならば純粋の俗人かというとそうではない。俗に似て髪なしです。自分の心は俗人みたいに汚れているけれども、少なくとも髪だけは剃っている。そこには、僧の世界と俗人の世界を行ったりきたり来たりしている芭蕉の境涯が実によく表れています。聖なる世界と俗なる世界を言ったり来たりして、過ごす老後の生き方を不良老年の生き方と言われていますが、退職後そんな生き方も美しく老いる生き方ではないでしょうか。私などは世俗にどっぷりと浸かってあがいている、不良老年の生き方とは、遙かにかけ離れた生き方しかできていません。
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by ayabemorinaga | 2008-07-20 05:51 | その他 | Comments(0)