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綾部市物部地区在住


by ayabemorinaga

夕焼け小焼け

「夕焼け小焼けで日が暮れて、山のお寺の鐘が鳴る、お手〃つないで皆かえろ、カラスと一緒にかえりましょう」日本人はなぜこんなに夕焼け空に感動するのか。(夕焼け空に感動するのは戦前の教育を受けた人たちが多いかもしれません。今の教育では感動する心を養う場面が少ないのかもしれませんから)それは夕焼けの彼方に浄土をイメ-ジしてきたからではないか。山のお寺の鐘が鳴るは、日本の仏教が山の仏教として定着したことを象徴する一句。空海が高野山で真言密教を開いた平安時代以降お坊さん達は山に入って修業をするようになり、その山の仏教が、朝晩山頂で鐘を鳴らしていました。庶民は山の鐘を聴きながら暮らしていました。お手〃つないでみなかえろ、これは日が暮れたら子供達はみなお父さんお母さんのいるお家に帰りなさいと言うことでしょう。しかし、考えてみれば「人間本来帰るべきところにかえれ」というメッセ-ジ-なのではないのか。陶淵明の帰去来の辞のいわんとしている、「帰りなんいざ、田園まさに蕪れなんとす」なのでしょう.「カラスと一緒にかえりましょう」帰るべき所に帰るのは人間だけではない、小鳥も小動物たちも一緒である。コレこそが正に共生の思想と言うものではないでしょうか。長々と書いてきましたが、何を言いたかったのかと言えば、夕焼け小焼けという童謡の中に仏教の根本精神が全部謡い込まれていると言うことを言いたかったのです。
by ayabemorinaga | 2008-11-03 10:25 | その他