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綾部市物部地区在住


by ayabemorinaga

別世界

働き盛りの夫が、事故によって植物人間になってしまった。彼女は夫を看病し支えるために、スナックを始めた。親戚や知人は反対したが、昼間夫を看病するにはそうするしかなかった。時には友達とコ‐ヒ‐タイムを持ちたいと思ったであろう。温泉旅行に行きたかったであろう。でもそんな時間は持てなかった。親身な看病にもかかわらず二十年たった今でも植物人間である。不運な人生というしか言いようがない。ところが彼女はその状況にすら感謝してこのように言った。夫の看病を通して、悲しみを通してしか見えない世界があることを知りました。この経験がなければ、私は人々の笑顔の背後にある苦しみや痛みを知ることが出来ない人間になっていたと思います。相田みつをの詩に、憂いがないのではありません。悲しみがないのではありません。語らないだけなのです。語れないほど深い憂いだからです。語れないほど深い悲しみだからです.澄んだ眼の底にある、深い憂いのわかる人間になろう。重い悲しみの見える眼をもとう。そんな人になりたい。人の言動をいちいちあげつらうような人間にはなりたくない。もっと深い包容力を持ちたいものだ。といいながら時には、私もl理不尽な物言いに対しては、人の言動をあげつらう人間になることもあるだろう。恐ろしいことだ。
by ayabemorinaga | 2009-04-13 06:46 | その他