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綾部市物部地区在住


by ayabemorinaga

美しい魂

私か養護支援施設に母と一緒に訪れたとき、指導員の目には短大生ぐらいに見えたらしい。髪にパァマをかけ、化粧をし、ツメはピンク色のマ二キュアを塗り、高級ブラウスを着てツンと済ましていましたから--当時私は中学二年生で登校拒否をしていました。そのような私に指導員は、化粧をしてはいけないなんて最初から説教調で指導しよぅとしたから、私はツイツイかっとなって化粧道具を投げつけする大騒ぎをして、よってたかって態度がでかい、だから人に嫌われるのだ--などと非難の大合唱だ。さらに、中学校の制服を着なさいと矢継ぎ早にいろいろ注文をつけてくる。中学校の制服なんぞ絶対着てやるか、と、ダダをこねてやった。       すると、指導員はこれは一筋縄ではいかぬと思ったのか、園長で有る和尚に下駄を預けやがった。和尚は私を本堂に呼んだ。ほの暗い本堂の本尊の前に座らされて私は和尚と向き合った。私は、個人の自由を束縛する権利はおまえにもない。家に帰せくってかかったが、黙って私の顔を見つめている。座ったことなど一度もないから足がしびれてくる。和尚は正座をして、私の様子を窺っている。こりや少々泣き叫んでも怒なっても通用しそうにない.。                                                     
よしゃ-一つ渾身の演技をして野郎と思った。猫なで声で-本当のことを言っていいですか。いいよみんな話しなさい。と言われたので目に涙をためながら、みんなお父さんがいけないんです。と言いながらあらん限りの声を上げて泣いてやった。すると和尚は私を抱きかかえて本堂横の応接間に連れて行った。私の姉は高校で1番で自慢の種であった。姉に負けたくないと私も頑張ったが、父はいつも私と姉を比較して、おまえはダメな子だとケチをつけるのです。
姉ばかりかわいがる父をこまらせてやろうと思って、学校をずる休みし始めました。三日間ほど部屋に閉じこもっていると、父が心配して顔をだして、どこか悪いのかい、医者に診てもらうか。私は、始めて父のいたわりのある言葉をきいてとびあがるほど嬉しかった。学校を休めば父がかまってくれるのではないか、そう思った。学校を休んでいると父は機嫌を取るように心配して聞いてきた。なにか食べたいものはないか。欲しいものはないか。作戦見事に成功した。父は私の言いなりだ。ダダをこねて高い洋服や化粧品、靴を買ってもらった
。と洗いざらい話すと和尚は、おまえも演技が上手だなあ-でも本当の話をしてくれてありがとう。といいながら-、こう諭した。あんたの間違いはお父さんの愛情を欲して、わがままを募らせたのだ。愛というものは奪うのでなく、与えるものだよ。今度家に帰ったら、明るくなるようにふるまうことだよ。--と。ほほう-和尚なかなかいいことゆうじゃん--私の心もまだ人の話が聞けるか。私もまだ人間としての魂までは失っていなかったか。私の根性悪の性格、素直さのかけらもない我がままな態度、自分で自分の性格いやになる。でも和尚の話はまじめに聞けた。なぜかは知らぬ。愛は奪うものでなく与えるものだ。どこかで聞いたような気もしたが-
by ayabemorinaga | 2015-01-13 12:22 | 教育・学校