綾部市物部地区在住


by ayabemorinaga

読書尚友

葉室麟の銀漢の賦(NHKで風の峠の題名で木曜日に放映している)を一気に読んだ。読後感は,さわやかという言葉に尽きる。文体が清冽である。人間の心の悩みや苦しみさえも、高雅で、さわやかな文章ですくい上げている。小説のテ-マは将監・源吾・十蔵の友情である。大人の時代小説であり、遠くない未来に現代の古典になる。と島内景二(文芸評論家・国文学者)が絶讃している。

文中で,源吾が,花というものは自然に咲いておってもきれいなものだと思いますが、やはり葉をきらねばならぬものなのですか、と,千鶴に聞いている。源吾殿は、人は皆、生まれたままの美しい心を持っているとお思いですか。  人も花も同じです。うまれもったものは尊いものでしょうが、それを美しくするためには、自ずと切らなければものがあります。花ははさみを入れますが,人は勉学や武術で鍛錬して自分の心を美しくするのです。花の美しさは形にありますが、人の美しさは-----ではないでしょうか。
江戸時代に政に携わる武士として生きていくためには,汚れ役や憎まれ役を自ら買ってでる覚悟が必要とされた。悪が、輝かしいのではない。自ら悪と言われようとも、動じない堅固な心が美しいのだ。ならば、現代、政に携わる人人には,何が求められているのか。少なくとも口先で人を操る口舌の徒であってはならないだろう。愚直なのか、至誠なのか。政に、携わる人達の覚悟の問題である。とにかく葉室麟の小説にはまっている。ゆずの花咲く--峠しぐれ--蜩ノ記等等がある。是非一読をお勧めする。読み応えのある小説であることは間違いないと思う。友情とは,優しくもあり、美しくもあり,哀しくもあり,いかなる友情が現代社会では求められているのか。人の道としての友情とは-----深く考えてみようではないか。
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by ayabemorinaga | 2015-02-01 11:25 | 教育・学校 | Comments(0)