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綾部市物部地区在住


by ayabemorinaga

情も理も

夏目漱石・草枕の冒頭に智に働けば角がたち、情にさおさせば流される。とかくこの世はすみにくい。と言った文言があるが、政治の世界では、義理人情を使いこなして、人心を把握する事が出来なければ大成する事は叶わぬ。人の為に何かをするときも相手をたててプライドを傷つけない配慮が必要だ。自分がしてやったのだぞ。こうなったのは誰のおかげだ。と言った気持ちが顔や態度に出てしまう。さらに傍らでいろいろと干渉すれば人心は離れてしまうのが世の習いだ。そのことは百も承知していても、自分の実力でなったといった態度に出られれば、ついつい嫌みな言葉が付いて出る。所詮之も人間の避けがたい業である。義理人情もバランスよく使わなければ、命取りになる。後藤田正晴氏の著書【情と理】のなかで、人の世は情と理の両面で支配される要素が多いが政治の世界では之が格別おおきくはたらいている。と言う事らしい。情のふぶんは人情・感情絡み、理には、理念、理論、理想などの要素がある。人は、理屈では動かない動くのは感情だ。と言われる事がある。浅川博忠氏は著書の中で、後藤田氏の情と理に基づき分類すると、山崎拓議員は情にすぐれる親分肌、加藤紘一議員は理に走りすぎるから、子分達をまとめきれない。小泉純一郎氏は情と理を旨くミックスしている。祖父又次郎の情の部分と、実父純也の理の部分両者を受け継いだ絶妙なバランス感覚の持ち主である、あなたが1番早く宰相になれる。と言ったそうだ。政治家として大成するには、此の事をしっかりと肝に銘じておくことだ。何の政治の世界だけでなく、世の中を無難に渡には、情と理、いや、義理と人情を上手に使いこなす細心の気配りが必要だ。義理人情を任侠の世界か、と侮蔑するような人も見かけるが、そのような人を見かけると自分は何様だと思っているのか。と、くびをかしげたくなるが、自分の世界に閉じこもっているのなら話は別だ。此の事への配慮に欠けると、常にトラブルメ-カ-になり、人から忌み嫌われるだろうよ。と思ってみるが果たして正論か。
 附記 偉ぶったりして、ひとかどの事を言っておりますが、私も情と理のバランスを失って、(どちらかと言えば理を優先しすぎて、人情をおろそかにした。)不義理をしている事が一つある。この不義理をいかにどのように果たすか。
by ayabemorinaga | 2015-11-26 15:42 | 政治・議会