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綾部市物部地区在住


by ayabemorinaga

人事闘争(ブログ小説)№7

赤目坂は、教育長指示に基づき、校内体制づくりをするために、坪副校長・小月事務部長と人選について協議した。当時の校長の意向を斟酌した校務分掌に基づく各部長人選が求められていたが、それらを全く無視して職員会議の選挙で部長・科長が選任されているので、府教委の学科改編の方針が支持されるか危惧された。教務部より一人各学科から一人づつ選任する事にした。赤目坂は、大学同期の機械科科長を呼び出し[機械科の改革改編についての科内の意見を集約して欲しい]と依頼したが、小島科長は、[私は教職員により選挙で科長に選任されたので、府教委の方針がはっきりとしていないので協力出来ない]という想定どおりの返事だ。校内協力グル-プの人選を坪副校長に依頼した。
 まず、原石高校の実態について触れておこう。まず、生徒指導困難校だ。原石駅の構内は汽車通学生徒のタバコの吸い殻が毎日バケツに半分散乱している。生徒指導部の教師がタバコの吸い殻拾い忙殺される。先生が校門指導で服装チェックをして、違反者に家に帰って着替えてくるよう指導をすると、[分かった帰ってやるよ。その代わり期末の単位認定や卒業認定の時、出席日数が足らないとは言わせないからなーてめえらが帰れといったんだから、責任はそっちだぜ-]と捨て台詞を吐いて帰ってしまう。校舎の二階からは水の入ったバケツが落下する。赤目坂も校内を見回っているとき、二階からバケツが落ちてきたことがある。非行生徒の校長訓戒は二・三日おきに行われる。指導内容は、喫煙、暴力行為・服装違反・バイク等である。生徒の希望で入学してきたのではなく、偏差値で入学できる学校として進路指導された生徒の大半はやる気などゼロだ。昭和38年原石高校創立当時は、中学校の成績がオ-ル5の生徒が殺到した。卒業後の進路もきらびやかだ。弁護士・文科省技監・医者・有名企業へほとんどが就職した。それから27年経過したした時点で生徒の資質が大きく様変わりした。今の時点で学科改編にとり組まない限り原石高校は没落危機にさらされているが、教職員はそのことが理解できていない。まさに井戸の中の蛙状態だ。赤目坂校長が如何に説得するのか、いつに、赤目坂校長の力量にかかっているが、工業科の教員から見れば、あんたに何が分かるんだ。工業科の事についてという覚めた目で見ている。
 恒例の年末異動調査では、普通科の教員が原石高校を希望することはゼロである。この状況が数十年にわたって続いている。工業科教員の異動は皆無だ。まず定年まで勤務する事になる。津山高校・山峰高校に工業学科が併設されているが、通勤時間の関係で、異動出来るのは津山高校だけだ。
巻貝府政の教育委員会では、本人の希望遵守が認められているから、転任希望を書かない限り転勤させられることは無かった。だから、同一勤務校20年・30年は掃いて捨てるほどたくさんいた。そのため教員のマンネリ化や牢名主のような教員が跋扈する事になった。
by ayabemorinaga | 2016-12-11 11:17